プレッシャー下での実力発揮と目標達成をサポートするスポーツメンタルトレーナーの中嶋です!
試合で苦手意識のある場面があるんだけど。。
なるほどねー。それでは苦手意識のメカニズムと克服方法について解説していくね!
あなたは苦手意識って持ってますか?
苦手意識って大なり小なり誰しもが持っていますよね。
ただ、苦手意識と言ってもいくつかパターンがあります。
ざっくり言うと
- スキルが習得出来ておらず、本当に苦手なパターン(スキルが要因)
- スキルは習得しているのに、メンタル的に苦手意識があるパターン(メンタルが要因)
①の本当に苦手なパターンは練習の中でコツコツ積み上げていきたいですよね。
今回は②の「スキルは習得しているのに、メンタル的に苦手意識があるパターン」について解説していきます!
- 苦手意識の事例
- 苦手意識のメカニズム
- 苦手意識の克服方法
- 苦手意識の予防方法
苦手意識あるある
さてさて、
とあるテニス選手(A選手と呼びます)から相談を受けたので、ちょっと匿名で紹介しさせてもらいます。
A選手はスピンのしっかり掛かった良いサーブを打つ選手です。
A選手の悩みは負けてるシチュエーションになると萎縮してしまってサーブが思うように振り抜けなくなる。
とのことでした。
逆に0-0のfirstゲームなどのサーブでは一切プレッシャーを感じずに思いっきり振り抜けるそうです。
これを見て、人によっては
「そうそう!そのシチュエーション!」
って感じるかもしれないですし
人によっては
「へー、そーなんだ。俺は勝ってる時に、サーブを落としちゃいけない!って思うけどなー。」
とか
「40-40になると振り抜けないんだよなー」
とか人それぞれです。
サーブをしっかり打つ技術がある上で特定のシチューエーションではそれが難しくなる。
そんな時にどうするか?について解説していきます!
苦手意識のメカニズム
では、なぜ苦手意識を持ってしまったのか?
まずは、苦手意識のメカニズムについて解説していきます。
苦手意識は潜在意識に積み重なった堆積物
潜在意識についてはこの記事で詳しく説明しています。
簡単に説明すると、人の意識は顕在意識と潜在意識の二層に分かれています。
普段みなさんが頭で思考したり行動していること。
例:
- 1日の予定を立てる
- 食べ物がお皿からこぼさないように、そーっと運ぶ
意識的に思考してなくても、無意識に判断したり、行動していること。
例:
- 自転車に乗ってる時は漕ぎ方は意識する必要がない
- 家出た後の鍵を閉める行動は、意識しなくても自動的に行ってる
簡単に言うと、苦手意識は潜在意識に積み重なったマイナスの堆積物です。
例えば、何か悪い出来事があったとして。
生存本能として脳はネガティブなことほど記憶する特性があります。
身の危険をいち早く察知するために、ネガティブな出来事のシチュエーションをたくさんストックしておいて、それと近いシチュエーションが訪れた時にすぐに危険信号を発するようにしています。
その危険信号によってスポーツにとっては悪影響のある以下のような緊張反応を引き起こします。
- 周囲を警戒するためソワソワ落ち着きがなくなる
- 身を守るために身体を硬直させる
- 「逃げる!」ということしか考えられないように頭を真っ白にさせる
- 木や岩をつたって逃げやすいように手汗をかく(サル時代の名残り)
このようにネガティブな状況に対して緊張反応を起こすという構造が苦手意識のメカニズムです。
では、どのように苦手意識に定着していくのでしょうか?
苦手意識になる経緯
では、どのように苦手意識に定着していくのでしょうか?
今回はあくまで一例です。
くそー、1-3かー。ここから絶対挽回しなきゃ。
って言う状態で何回かそのサービスゲームを落とす。
追い付きたいのに、また落としちゃった。。
あそこでサービスゲーム落としたから負けたんだよなー。
それを繰り返すことで、知らぬ間に自分の中に
オレって、負けてる時にサーブゲームを取れないよなぁ
っていうものが潜在意識に刷り込まれていくんですね。
苦手意識のもう一つの弊害
そして、上記の緊張反応によるプレーの弊害に併せてもう一つ苦手意識の弊害。
困ったことに自分の中で
負けている時にサーブゲームを取れない
とイメージし始めてしまうと
身体はそれを表現しようとします。
脳みそってイメージしたものを実現させようとするという素敵な能力をお持ちなんですね。
取れない自分というイメージに身体は引っ張られるんです。
要はちゃんとイメージ通りになってるんです。
悪い方向に。
だって、取れないイメージしましたもんね?
なんなら、サーブゲームを取るなと命令してるようなもんです。
だからサービスゲームを取れない自分をバッチリ身体は表現してくれるんですよ。
身体は嘘つかないんです。
正直者です。
なので苦手意識について一言で言うと
思い込みです。(技術が伴っている場合)
苦手意識を克服する方法を徹底解説!
しかし、その思い込み。
かなり厄介です。
潜在意識にベッタリと貼り付いてるので、なかなか取れません。
隙あらば、脳裏に浮かんできて悪影響を及ぼします。
じゃ、どうやったらその思い込みを外す、もしくは上書きしていくかを解説していきますね!
イメージトレーニングによる克服方法
- 苦手と思うシチュエーションで自分が良いプレーをしているイメージをする。
- 実際に打つ時に具体的なイメージをしてから打つ
積み重ねによる克服方法
- 練習の中で苦手なシチュエーションをあえて作り、その状況に対する適応能力を上げる
- 練習の中で出来たことや修正点を確認しながら、自分の成長や達成感を感じ自信に変える
思い込みを外すことによる克服方法(認知行動療法)
- リフレーミング
- 自分裁判
解説していきます!
イメージトレーニングによる克服方法
苦手と思うシチューエーションで自分が良いプレーをしているところをイメージする。
これはイメージトレーニングですね。頭の中で自分の良いイメージを繰り返すことで身体がそのイメージを表現しようとしてくれます。
悪い潜在意識を良い潜在意識に上書きする作業です。
実際に打つときに良いサーブをイメージしてから打つ。
サーブゲームを取った取られたは「結果」なので、どんなサーブを打ちたいのかという「過程」に意識を向けるということが大事ですね。
要は苦手意識ではないところに意識を向けるということです。例えばサーブのトスで「1」、インパクトで「2」とリズムをとることに意識を向けたりすることも効果的です!
積み重ねによる克服方法
練習の中で苦手なシチューエーションをつくってひたすらその状況に慣れる。
苦手なシチュエーションをひたすら練習で繰り返すことで、そのシチュエーションに対して自信をつけていく方法です!
メンタルトレーニングでは「ストレス耐性トレーニング」と呼んでいます。
例えば、練習試合を0-2からスタートしてみたり。
ポイントを0-15からスタートしてみたり。
苦手な負けてるシチュエーションにひたすら自分を置くことで、その状況に慣れる。
それをやることで、自分は苦手を克服しようとしてるぞっていう自信にもつながります。
小さな成長と小さな達成を記録する
そして、その練習の中で得られた良い感覚を見逃さないようにしましょう!
練習を振り返ってノートに書いてみてください。
小さな成長に気付き、自分を認め、達成感を得る。
この繰り返しが自信を育むステップです。
思い込みを外すことによる克服方法(認知行動療法)
実際の試合で自分のサーブをキープした数を数えてみる。
そもそも、苦手意識があると言っておきながら、数えてみると意外と苦手意識があるなりにサービスゲームを取っていたりする場合もあります。
「あれ?意外と苦手じゃないのかも?」
と、その事実を自分で知ると苦手意識が少くなりますよね。
人ってポジティブな出来事より、ネガティブな出来事の方が記憶に定着しやすい生き物なんです。
実はちゃんとサービスキープしてるのに大事な局面でたまたま落としたことで、マイナスイメージが強く焼き付いてる場合もあります。
また、苦手意識があり実際にサービスゲームを落とすと、「やっぱり」と1カウントされる。
けど、せっかくサービスゲームを取ったのにその時には「ま、当然だろ」とカウントしないことが多いです。
要は取った自分を「よくやったぞ、オレ!!」と褒めてあげてあげて欲しいですよね。
あとはサービスゲームと言ってもそもそも100%キープできる訳ではないので。あらかじめ自分のキープ率を把握しておくと、落としても「ま、確率的にこんなもんだな」と受容できたりします。
リフレーミング
これは心理学的スキルで意味づけを変えることを「リフレーミング」と呼んでいます。
「サービスゲームを落としてはいけない」という発想だとマイナス感情から緊張反応を生みそうですが、サービスゲームに対してポジティブなイメージを持てたらどうでしょう?
サービスゲームを取った取られたの意味づけで認識するより、サーブを打つことの楽しさ、気持ちよさ、成長したいポイント、チャレンジなどなどサーブを打つことに対してポジティブな意味づけをしていきたいですよね!
自分裁判を行う
リフレーミングに通じることでもありますが、自身の思い込みに気付き、思い込みのブロックを外す方法に「自分裁判」という方法があります。
まずは、現在考えていることを裁判の議題としてあげます。
- 私は負けてる場面でサービスゲームをキープできない。
次に上にあげた現在の捉え方に対してそれを証明するための根拠をあげましょう。
「そーだ!そーだ!」と自分の捉え方が正しいことを証明してください!
- 過去に大事な場面でサービスゲームを落とした。
- 落とした時にペアにすごくガッカリされた。
次に初めにあげた現在の捉え方について反証しましょう。
「いやいや、そんなことなくない?」っていう意見を出来るだけたくさん考えてみてください!
- サーブは本来得意だ。
- サービスゲームを落としはしたが、サーブよりもその後のラリーのクオリティに問題があった
- 数えてみたら、負けてる場面でサービスキープはかなり出来ている。
最後はこれまでに出てきた根拠と反証を吟味したうえで判決を言い渡しましょう。
はっきりと白黒を決めなくても、間を取り持つ形でももちろんOKです!
- 確かに過去に大事なサービスゲームを落としたのは事実だ。
- しかし、基本的にはサービスは得意だし、良いサーブも打てている。いたずらに、サービスゲームを怖がることはない。
と判決を下すとストンと肚落ちして苦手意識も軽減できます。
今回しょうかいした克服例はあくまで一例ですし、同じ手法でも人によって変わってくる部分もありますので話し合いながらその人に適した克服の仕方を一緒に探していきます。
ここはトライ&エラーですね。
苦手意識を持たないようにする為には
虫歯になってから歯医者に行くのと、虫歯にならないように毎日歯を磨きますよね?
メンタルも試合ごとのメンタルケアが大切です。
苦手意識を植え付けない為の試合後のアフターケアが大切です。
試合に負けて終わった後って
あのポイントのあのスマッシュが。。
あのサーブが。。
あのリターンが。。
って後悔しますよね。
ダメだったショットをひたすら脳内でエンドレスリピートしますよね。
はい、ストップ!!
このままで絶対終わらせないで下さい。
今の悪いイメージだけだと、これらは苦手意識予備軍になります。
また大事なポイントでミスをした。
だと、その悪いイメージだけが頭の中に強烈に残ってしまうので、その積み重ねがショットやシチュエーションに対する苦手意識を生みます。
ここでやっておいて欲しいのが
じゃ、そこでどんなショットを打ちたかったのか。
どうしたら良かったのか。
ちゃんと自分の中に正解をイメージして下さい。
そして、その正解のイメージでミスのショットを上書きしてください。
自分の脳みそに正解の良いイメージをしっかり植え付けて終わってください。
なんならその正解のショットを打ったってことにしちゃって下さい。
頭の中は自由です。笑
ってことで
以上。
苦手意識に関する記事でした。
ではでは。
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