「プレッシャー下でのパフォーマンス発揮と目標達成をサポートする」スポーツメンタルトレーナーの中嶋です!
試合で「ミスしないように!」って考えて頑張るんだけど、どうしてもミスしてしまうのは何で?
なるほど!実は「ミスしないように!」は逆にミスを引き起こしてしまう負の呪文なんだよ。。
うっそ!
あなたも「ミスしないように!」という言葉を使ったことはありませんか?
そして、「ミスしないように!」という言葉を使って高いパフォーマンスを安定して出せているでしょうか?
トップアスリートは自分のパフォーマンスを最大限に引き出すために、どのような言葉、イメージを自分に投げ掛けていくかにとても気を使っています。
なぜなら、言葉やイメージの質が良くも悪くも自身のパフォーマンスにとても大きな影響を与えることを知っているから。
是非この記事を読んで、パフォーマンスを最大限に発揮するための脳とイメージと身体のメカニズムを理解し、自身に使えるようにトライしてみてください!
- 「ミスしないように!」がミスを引き起こしてしまう理由。
- 脳でイメージしたことを身体は再現しようとする。
- イメージする時、脳は否定語を認識出来ない。
- それを踏まえた上での適切な自分と、もしくはチームメイトとのコミュニケーション方法。
使うとパフォーマンスを落としてしまいがちな言葉
選手が自分自身で思ったりすること、監督やコーチが選手に声を掛ける際に使わない方が良い言葉のニュアンスがあります。
それは「○○しない!」「○○するな!」という言葉です。
つまり、否定語ですね。
良く聞きませんか?
ここは大事なポイントだから、焦らずに行こう
サーブミスは勿体ないから、サーブミスだけは絶対にしないようにしよう
いーな!このPK、絶対外すなよ!
ここで絶対ボールを取られるなよ!
と言ってるのを。
このような表現は残念ながらプレーのパフォーマンスレベルを落とす傾向があります。
私もついついウッカリ使ってしまうこともありますが、なるべく使わないように、もしくは、否定語の後に肯定語を入れることを意識してます。
では、なぜ否定語だけで使わない方が良いのか?
それは脳が持つ2つの特徴があるからです
その特徴とは
- 脳でイメージしたことを身体は再現しようとする
- 脳は否定語を認識しない
ということ。
まずはこの脳の2つの特徴について解説していきます!
脳の特徴1:脳でイメージしたことを身体は再現しようとする
脳が持つ特徴のひとつ目は「脳でイメージしたことを身体は再現しようとする」ということ。
脳と身体は密接に繋がっていて、脳で想像したことは身体にとっては事実なんです。
実験
みなさんにも実感してもらいたいので、試しに実験してみましょう。
みなさん、レモンを食べるところを想像してください。
目の前にレモンがあると想像してください。
まっ黄色な艶っつやなレモン。
それを真っ二つに輪切りにし、断面を口の中に入れて
「ギュッ~~」と搾ります。
するとレモンの酸っぱい果汁が口イッパイに広がってきます。
酸っぱい酸っぱいレモンの果汁を口の中で感じてください。
はい、、どうでしょう?
口の中がジュワーっとしてきませんか?
唾液が分泌してきませんか?
どのくらい出るかは個人差がありますが、出てないと思う方も分からない程度には出てるかと思います。
ちなみに、私はすでに唾液ダバッダバです。
笑
脳は想像と現実を区別できない
レモンを食べてないのに、食べてるイメージをしただけで唾液が分泌される。
つまり、脳の中では『レモンを食べた』ことになっちゃってるんです!!
だから、脳が身体に唾液を出すように指令を出すんですね。
コイツ、レモン食ったぞ!酸っぱい!唾液を出せー!
って。
本当は食べてないのに。
ここから分かる事実は、脳は現実と想像を区別出来ないってことです。
トップアスリートはイメージを上手く使ってパフォーマンスを発揮する
この、脳のイメージと身体のつながりの関係性はパフォーマンスに対しては良くも悪くも現れます。
良いイメージを持てば身体に良い反応が起こるし、悪いイメージを持てば身体に悪い反応が出る。
いたってシンプルです。
ただ、人は生存本能から基本的にはネガティブな方に意識が向きがちです。
そのような理由で知らず知らずのうちにマイナスのイメージを持ってしまい、パフォーマンスを落としてしまう選手は少なくありません。
特に私は人一倍この身体の反応が顕著なのでかなりパフォーマンスが落ちる状態でした。
メンタルトレーニングを受けているトップアスリートはプラスのイメージを使って身体にプラスの反応をさせる能力に長けています。
この良いイメージによって身体にプラスの反応を起こすことをメンタルトレーニングではパフォーマンスに繋げるためのイメージトレーニングとして使っています。
- イメージと身体は繋がっている。
- 脳は現実と想像(イメージ)を区別することが出来ない。
- イメージしたものに対して身体は反応を起こす。
- 悪いイメージを持つと、身体に悪い反応が出る。
- 良いイメージを持つと、身体に良い反応が出る。
- アスリートはイメージに対する身体反応でパフォーマンスが下がっていることが多々ある。
- メンタルトレーニングではこのイメージに対する身体反応を逆に利用しパフォーマンスを上げることに繋げていく。
脳の特徴2:イメージする時、脳は否定語を認識しない
脳の特徴の二つ目は「イメージする時、脳は否定語を認識しない」ということ。
は?
って感じですけど説明していきます
脳は否定語を考慮せずにイメージしてしまう
ここでまた実験してみましょう。
今からあなたに質問をします。
ほう
「鼻の長いゾウを想像しないでください」
どうでしょう?
「鼻の長いゾウ」を想像せずにいられた方がどれだけいるでしょうか?
めっちゃイメージしてしまった
この実験で分かることは○○という言葉にたいして「○○しないでください」と否定語をつけても、脳の中では○○の部分をイメージしてしまうということ。
それを踏まえて次はスポーツの場面で考えていきましょう!
「サーブミスしない!」の弊害
例えば、「サーブミスをしない!」と言ってる選手がいるとします。
その選手の頭の中を覗いて見ましょう。
「サーブミスはしない!」とは言ってるものの、サーブミスをしないイメージってどんなイメージですか?
残念ながら「サーブミスをしない!」と言っているこの選手の頭の中に映像として浮かんでいるのは『サーブミス』なんです。
サーブミスを頭の中で思い浮かべて、それを「しない!」と言ってるんですね。
それでは「サーブミスをしない!」によって頭の中に「サーブミス」がある状態は何が良くないのでしょうか?
ここで起こる弊害を二つ。
- 身体がミスのイメージを体現しようとする
- ミスのイメージはマイナス感情を引き起こす
この二つの弊害について解説していきます!
弊害①:身体がミスのイメージを体現しようとする
一つ目の弊害は、身体がミスのイメージを体現しようとすること。
ここで、先ほどのレモンの実験を思い出してください。
脳のイメージと身体は繋がってます。
レモンをイメージすれば口の中に唾液が分泌されます。
と、言うことは
サーブミスをイメージしたということは、身体はサーブミスを表現しようとするんですね。
なんてこと!
弊害②:ミスのイメージはマイナス感情を引き起こす
二つ目の弊害は、ミスのイメージはマイナス感情を引き起こすということ。
サーブミスを想像することで不安や恐怖心が出てきます。
感情の状態として不安や恐怖は緊張反応を引き起こしやすいパフォーマンスが落ちる状態。
つまり、「サーブミスをしない!」という言葉によってサーブミスを引き起こす身体の状態をつくってしまっているんですね。
脳のイメージを使ってパフォーマンスを発揮するには?
ここまでの話は
- 脳でイメージしたことを身体は再現しようとする
- 脳は否定語を認識しない
とのとこから
- 「焦らずに行きます」と言っても焦ってしまう。
- 監督が「PK外すなよ!」と言えば言うほど選手は外しやすくなってしまう。
- 「ボールを取られるなよ」と言えば言うほど選手はボールを取られやすくなってしまう。
という話でした。
ここからは脳のイメージを使ってパフォーマンスを発揮するには?というテーマに対して3ステップで紹介していきたいと思います!
- 肯定形でイメージする
- 具体的にイメージする
- ポジティブなイメージをする
3ステップで解説します!
行動したいことをイメージする、行動して欲しいことをイメージしやすく伝えてください。
サーブミスをしたくないのであれば、「サーブミスをしない!」よりも「サーブを入れる!」の方がまだイメージとしてはサーブが入ってるイメージを持ちやすい。
焦らずにいきたいのであれば「焦らずに行きます!」より「落ち着いてプレーします!」の方がイメージしやすい。
ただ、実はこれではまだ不十分なんです。
パフォーマンスを上げる為にはもっとイメージを具体的にしてください。
「サーブを入れる!」というのも少しフワッとしてますよね。
イメージがフワッとしてると行動として中途半端になりやすい。
逆に具体的にイメージするほど、脳はそれを表現しやすくなります。
例えばサーブの場合、どんなサーブが打ちたいのかを具体的に考えてみてください。
- どんな回転か
- どんな軌道か
- どんなスピードか
- どんな音か
- どんな感触か
そこを突き詰めるほど、イメージは具体的になるので身体は表現しやすくなります。
「落ち着いてプレーします」に対しても同様ですね!
どのような状態が落ち着いてるのか?どうしたら落ち着くのか?
動きは?呼吸は?イメージは?、、、と『落ち着く』ためにするべきことを具体的にしていた方がちゃんと『落ち着く』ことが出来ますよね。
パフォーマンスが発揮されない状態はマイナス感情を伴った状態です。
なるべくプレーに対してプラスの感情をつくっていきたいですよね!
そこで、先ほどイメージした具体的なイメージに対してポジティブな感情を見つけてみてください。
- どんな回転か
- どんな軌道か
- どんなスピードか
- どんな音か
- どんな感触か
そこに対して自分なりの気持ちい感覚やこだわりポイント、成長ポイントなどを見出す。
- 強烈な回転を感覚に
- ググっと落ちる軌道に
- 切り裂くスピード感に
- ラケットに当たったインパクト音に
- ボールを潰したり擦ったりする感覚に
自分なりの気持ちい感覚やこだわりポイント、成長ポイントを作ってみてください。
そこを追求することが脳にポジティブの感情をもたらし、パフォーマンスを発揮しやすくなります。
これらの3ステップを踏んでいくことで、是非とも脳のイメージの力をしっかりと発揮してプレーしてみてください!
チームメイトへの声掛け
ここまでは自分自身でイメージを持ってパフォーマンスを上げていく話をしてきました。
チームメイトに対しても是非同様に
- 肯定形で
- 具体的に
- ポジティブな感情を持たせられるような
そんな伝え方をしてもらいたいですね!
チームメイトに伝える際の注意点
ただ、人に伝える場合は注意が必要です。
なぜなら仮に選手にして欲しいイメージを選手自身がイメージしやすい状態で100%完璧に伝えたからと言って、必ずしもプラスになるという訳ではないので。
なぜなら
- やらされ感
- 顕在意識下のプレーになる
が起こってしまう可能性がある為です。
やらされ感
『やらされ感』については選手の主体性を尊重しながら出来るかどうか。
例え正論だとしても、それを伝えたところで選手が気持ち良くプレー出来るかといったらそうでもないんですね。
例えば、サッカーの試合終盤で監督に「最後まで走れよ!」って言われてキツいと思いながら走るのと(外発的動機づけ)、「この試合、最後まで走り抜こう!」と自分で決めて走る(内発的動機づけ)では走りの質が全く変わってきます。
ただ、これも「監督の為に走りきる!」と選手が思えるような関係性だったり言い方であれば走ってくれるでしょうし、「走り抜こう」と自分で決めていても気持ちや体力で負けて走らなくなることもあります。
顕在意識下でのプレー
そして、顕在意識下でのプレーになってしまいやすいことについて。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
すごく簡単に説明すると
例えば、テニスなどのペア競技中にペアから「もっとあーしてこーして」と指示をされたとします。
スッと出来ることもありますが、ふだん練習でやってないことだったりすると動きが意識的になります。
意識的に動作をすることでギクシャクしたり、いつもと動作が違う分、考える時間や迷う時間が一瞬出来て判断が遅れてミスになったり。
試合での動きの理想は動作を無意識で行うことが出来ている状態。
無意識だからこそ、複雑な人間の身体がスムーズに動いてくれる。
それを場合によってはアドバイスによって妨害してしまうこともある、ということです。
もちろん、アドバイスによってやるべきことに集中出来た時は良い変化を起こすこともあるので、これも時と場合によります。
メンタルトレーナーの必要性
チームのコミュニケーションについてここまで聞くと「じゃ、何が正解なんだ??」と思うかもしれませんよね。
はい、正解はありません。
人によって価値観や物事の見方、捉え方、行動の仕方は変わってきます。
同じことを言っても相手が違えば全く別のものに変換されることもあります。
じゃ、どうやったらいいのか?
相手がどう見てるか?どう捉えてるか?どう行動しようとしてるか?
そんなの分からない!って思いますよね。
めっちゃムズイやん
けど、ちゃんと方法はあります
それは、質問すること。
相手がどう思ってるか?どう捉えてるか?どう行動しようとしているか?を質問して本人から聴き出すだけ。
メンタルトレーナーは一方的なやりとりではなく、あくまで選手を主として、選手の考え、捉え方、感覚を引き出すような関わりをしていきます。
監督やコーチ、指導者がこれを完璧にやるのは知識的にも時間的にも難しいですが、メンタルトレーナーが関わることでスムーズになります。
また、パフォーマンス発揮のメンタルについてもその場その場で移り変わる水面のようなもの。
荒れてるときは沈めるし、穏やか過ぎれば盛り上げたりもします。
そして、人によってパフォーマンスの出る水面の状態も違う。
荒れ気味の方が良い人もいれば、穏やかな方が良い人もいる。
更に言えば同じ人でも荒い方がパフォーマンスが出るときと穏やかな方がパフォーマンスが出るときとある。
このようなものに正解なんてありませんよね。
なので、正解を見つけるのではなく、その時その時の自分の状態に気付き、変化に気付き、目を向け整えていく。
そのようなお手伝いを出来るのも私のメンタルトレーニングの特徴です。
まとめ
・脳と身体は繋がっている
・マイナスなイメージを持つと身体にはマイナスの反応が出てしまうため、パフォーマンスが落ちる
・プラスなイメージを持つことで、身体にプラスの反応を起こしパフォーマンスを上げる。
・イメージトレーニングによって、脳と身体の反応をより強くしていくこと、プラスの反応を起こしていくことを強化していく。
・脳は「○○しない」「○○するな」の否定語を認識しない。
・イメージとしては○○の部分が想起されやすくなってしまう。
・結果、行動として○○をしてしまう。
・なので、具体的な行動をイメージしていくことか大事。
・しかし、それを踏まえた上でも、他人に伝えるときは配慮が必要。
・なぜなら人によって価値観、考え方、物事の捉え方、行動の仕方も変わってくる為。
・それを把握するためには、質問を通して選手に自身のことへの理解を深めてもらい、それを軸にしながらプラスな行動に変えていく。
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